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Basking Coffee (福岡): 2017年3月 #クラスパートナーロースター

Kurasuが次にご紹介するロースターは、Basking Coffee

全面ガラス張りの大きな扉をくぐり店舗に足を踏み入れまず感じたのが、天井の高さ、そして空間の圧倒的な明るさだ。インテリアは背の高い観葉植物や、木材、鉄を組み合わせたナチュラルな建具で構成され、光のあふれる店内では皆が親しげに言葉を交わしながら過ごしている。

前回に続き、福岡、そして世界を飛び回り活躍するロースターの榎原さんにお話を伺った。 

 

Basking Coffeeができるまで

 

福岡出身の榎原さんは、25歳まで世界を旅しながらコーヒーとは無縁の生活を送っていた。以前から自分の店を持ちたいという想いがあり、旅先で目にする本屋やカフェなど様々な場所から刺激を受ける日々だったが、構想は固まらないまま、帰国。

するとふと、天から降ってきたように、コーヒーを仕事にしよう、という思いがわいた。焙煎している自分の姿が、ありありと想像できたという。

 

それからコーヒーを勉強し始めようとカフェでの仕事を探し始め、巡り巡ってハニー珈琲に採用が決まる。翌日からすぐに働き始めた。当時はまだ1店舗しかなかったハニー珈琲で、社長とともにコーヒー豆の袋詰め、毎日のカッピング、エスプレッソやカプチーノといったドリンク作りをしていくうちに、コーヒーにどんどんのめり込んでいったという。2年半働き、その後独立。

ハニー珈琲にいた頃から、コーヒーがどうやって、どんな人の手で作られているかということへの興味を強く持っていた榎原さんは、自分の目で確認しようと中南米へ飛び、グアテマラ、ニカラグア、コスタリカ、コロンビアの農園を巡った。実際に生豆が生産されている現場を目にし、果実としてのコーヒーを含め、実際に飲むまでのサイクルとしてのコーヒーというものをより大きな枠で捉えられるようになったという。

コーヒーカルチャーを学んだのは北欧だ。コーヒーを飲んでいる人の多さに驚き、たくさんのカフェのインテリアや見せ方、店の雰囲気などを大いに吸収した。

 

旅から戻ってすぐには物件も見つからず、資金も減ってきたため半年ほど県外で働くなどの紆余曲折はあったものの、その後福岡に戻ったタイミングで話が舞い込み、店をオープンすることができた。

 

焙煎について

ハニー珈琲で1ヶ月ほど修行を積み、同じプロバットを購入して焙煎を始めた榎原さん。道具や焙煎方法についてはそれありきのこだわりというものは特になく、自分の好きな味を目指し、豆の特性に合わせて調節しながら焙煎を行っているのだという。ハニー珈琲では透明感のあるコーヒーを提供していたが、榎原さん自身はよりジューシーさを追求した味わいを理想としている。

 

理屈や言葉ではなく、自分の舌で実際に感じたことを元に行う焙煎は、やはりお客様のための焙煎という姿勢にも深くつながっている。お客様が実際に飲む時の体験をより良いものにするために、販売時にもフレンチプレス、エアロプレス、ケメックスと様々な抽出を試してもらうのに限らず、榎原さん自身もカッピングにとどまらず定期的に抽出を行う。焙煎後の日数などによる変化を見てはまた焙煎を調整するといった具合で、飲む人の目線でのコーヒーをより良くするための努力を決して惜しまないのだ。

 

オープン、その後

 

Basking Coffeeがオープンして2年半ほどが経つ。

店舗がある千早は榎原さんの出身地だ。生まれ育ったこの街への思い入れはもちろんのこと、この10年ほどで勢いよく変化している様子に、街としての面白み、そしてポテンシャルを感じた。元々新しいものが好きで変化にオープンな福岡の人々だが、転勤などで越してくる若い家族など、様々なバックグラウンドを持つ人々が明るいコミュニティーを育てている。

「最初からいいお客さんに恵まれました」と榎原さんは言う。相性がいい、と感じる人が多く訪れ、毎日通ってくれる人もいるという。

お客様と店との距離の近さが大きな強みのBasking Coffeeでは、コーヒー教室やパブリックカッピングといったイベントも頻繁に開催している。

 

現在の卸先は7件。個人客が圧倒的に多い地域密着型のBasking Coffeeにはオンラインショップもあり、InstagramやFacebookなどを通し遠くから買いに訪れる人もいるというが、やはり地元の人々との関係におおいに支えられ、盛り立ててもらっていることを常に感じ、感謝の気持ちを日々新たにしている。

今後の展望

お店に伺った2016年末、年明けにはコスタリカに買い付けに行きたいと話していた榎原さん。色鮮やかな写真とともに、臨場感あふれる旅の様子がブログに綴られている。

今後は年に2カ国、3カ国と買い付け先を増やして行きたいという。旅が好きで、買い付けや出張があることも焙煎の道へ進むきっかけとなったという榎原さんは、今後も国から国へと旅しては、美味しいコーヒーとアイデアを土産に福岡のコーヒーカルチャーを牽引していくことだろう。

 

 

 

フットワークの軽さ、そして何事も構えすぎず、感じたことや新しいものにオープンな榎原さんの姿勢は、お話するだけでこちらまで明るくしてくれる。

 

Basking Coffee: 

http://www.baskingcoffee.com/

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Shekinah, El Salvador

MonteAlegre, Brazil